日本人は「頑張る」のが好きです。小さい頃から何かにつけて「頑張りなさい」と言われ、特に深く考えることもなく「頑張ってきます」と答え、一生懸命に頑張るのですが、大した成果は出ません。夢や目標も実現できません。
社会人になっても同じような現象が続きます。上司からは「とにかく頑張れ」と言われ続け、具体的な指示はされません。思うような結果が出ないと「頑張りが足りない」と言われ、挙句の果てには「もっと頑張れ」と言われます。
一見、頑張るというのは素晴らしいことのように思います。が、客観的に考えてみると、かなり抽象的で「ふんわり」とした言葉だということに気付きます。具体的には何をどうすればいいのか、全く分かりません。
頑張れと言う側も、頑張れと言われた側も、何をどうすればいいのか分からない状態がずっと続いているということです。これでは成果は上がりません。
ざっくり分けると、時代遅れだと多くの人が嫌う「根性論」と大差ありません。言葉をかけているだけで、具体的な指摘や指示をしないという意味では、両者はほぼ同じだといえます。
日本人は頑張っている人が好きなので、とりあえず「頑張っている風」に見せておけば、文句は言われません。頑張っている人にあれこれ言うなんてけしからんという風潮があるからです。
頑張ったんだから、うまくいかなくても仕方ないと思われます。咎められることもありません。逆に「あんなにも頑張って偉いね」と褒められることさえあります。この辺が、成果第一主義の欧米とは真逆だなと感じます。
要するに、頑張っておけば良いだろうと「思考停止」していたり、頑張ることにより「現実逃避」している人が多いということです。その結果が、今のような不景気&低賃金&増税と物価高による生活苦です。
私は小さい頃から頑張るのが嫌いでした。頑張ってやらないといけないということは「自分には向いていない」ということであり、むしろ頑張らなくても出来ることだけやっておいた方が、成果は出やすいだろうということに、早くから気付いていました。
現在の仕事でも、お客様に「頑張れ」と言ったことは15年間で一度もありません。それよりも「頭を使って工夫した方がいいよ」とか「この本に全て書いてあるよ」とか「ブログをやめてインスタグラムだけにしたらいいよ」というように、具体的な話しかしません。そうしないと、言われた側が実行に移せないのと、実行しない限り、成果が出ないということを知っているからです。
改めて忠告しておきますが、何かにつけて「頑張れ」と言う人には、具体的なアイデアもアドバイスもありません。「とりあえずそう言っておけばいいだろう」としか思っていない「無責任な人」です。
そんなレベルの人間の意見を真剣に聞く理由はありません。さっさと離れて、自分の頭で考えましょう。それが現状を打破する唯一の方法です。