「お金は使えば使うほど増える」という迷信がありますが、あれを鵜呑みにしている人が多いです。使えば使うほど増えるのは、お金を稼ぐ能力が高い人だけであり、それ以外の人はお金を失う一方です。
水の流れで考えてみてください。どんどん入ってくるのであれば、いくら出ていっても問題ありません。が、全然入ってこないのに出ていくばかりだと、やがて「枯れて」しまいます。真夏に湖や川が「枯渇」して水不足になることがありますが、あれと同じです。
稼ぐ能力が高くないのに、気前よくじゃんじゃん使っていくと、入ってきたお金を得た期間の「倍」のスピードで貧しくなります。一年で一億稼いだ人は、次の半年間で二億の借金を作ったりします。世間知らずの芸能人やスポーツ選手、中小企業の社長には、そういう人が極端に多いです。
江戸時代には「金は天下の回りもの」という言葉が流行りました。あの「真相」は、庶民が貯金ばかりすると景気が良くならないので、それを回避するために、幕府側が意図的にそういう迷信を流したそうです。
「その日に稼いだお金を、その日のうちに使い切るのが、粋な江戸っ子の生き方」というイメージを作り上げ、どんどんお金を使わせ、国全体が潤うように誘導したということです。
あなたに「お金は使えば使うほど入ってくるよ」と教えてくれる人は、あなたにお金を使わせたい人です。正確に言うと、あなたのお金を「狙って」いる人です。あなたのことを本気で思ってくれる人なら決してそんなことは言いません。「お金は大切に使った方が良いよ」とやさしく諭してくれるはずです。
お金持ちというのは、お金を湯水のように使う人のことではありません。あれはごく一部の「下流」のお金持ちのイメージです。本当のお金持ちはあまりお金を使いません。お金を使わないからこそ、お金が手元に残り、お金持ちになれたのです。これを理解しておけば、あなたもお金に困らなくなります。