物事が上手くいってない時、状況を改善するのに日本人がよくやりがちなのが「やる気、元気、気合」でなんとかしようすることです。正直、これで上手くいった例を見たことがありません。単に「気持ちの問題」でしかないので、根本的な解決になっていないからです。
神社に参拝したり、パワースポットに行ったり、美味しいものを食べに行くと、確かに気持ちは晴れます。が、問題はそのままの状態です。変わったのは本人の気持ちだけで、状況は動いていません。だから改善しません。
Jリーグのチームでよく見かけるのが、負けが続き、サポーターが怒り始めると、ホームページに「お気持ち表明」をすることです。書いてあることはだいたい同じで「今は状況が厳しいけど、チーム一丸となって諦めずに戦っていきます」ということを社長の名前で出すのですが、それで好転することはほぼありません。そのまま負け続け、下部のカテゴリーに降格するチームが大半です。
必要なのは「具体的な変更」です。気合を入れ直すことではなく、監督を変えたり、選手を補強することです。これは効果があります。降格を回避したチームを見ていると、どこもこのやり方で急場を凌いでいます。
最も大事なのは、どの監督に任せて、どんな選手を集めて、どういう戦術で戦うかということです。これはシーズンが始まる前に決まっています。そこを間違えると、最後まで苦戦を強いられます。途中でやる気を出しても、もう遅いのです。
個人や企業の戦い方にも、これがそのまま当てはまります。誰に対して、何を、どのくらいの価格で売るのか。そこを決めるのが最も大事なのですが、それを疎かにして、やれSNSだ、やれセルフブランディングだとやっているから、いつまで経っても売れないのです。
「小手先のテクニック」や「気の持ちよう」では状況は改善しません。本気で改善したかったら、具体的な行動が必須です。それをやらない限り、何ひとつ変わりません。