「笹野さんなら、本当のことを言ってくれると思ったので、何を言われても良いという覚悟で、個別コンサルを受けに来ました」という40代の方がいました。頭の良い人だなと思いました。
女性に多いのが、人生の転機となる転職や起業について相談に行ったものの、それは実は相談ではなくて「自分のことを褒めてほしい、認めてほしい」というだけの人です。そういう人ほど「甘ったるい」言葉を求めます。
全く売れる見込みがないのに「わぁ〜すご〜い」とか「絶対に売れますよ〜」と適当に言われて、それだけで気持ちよくなり、結局、一歩も前進できていない人です。そういう人が売れることは「永遠」にありません。
私は相談に来てくれた方の人生には、全責任は持てません。持てませんが、せめて「良い方向」に導こうとは思っています。間違っても、適当なことは言えません。これはもう性格上の問題というか、生まれつき「そういう人」なのだと思います。
だから、根拠もなく曖昧でふわっとした抽象的なことばかり言って、相談者を路頭に迷わすようなことをする人が信じられません。人さまからお金もらっておいて、よくもまぁ、そんなことが堂々と出来るなと思います。
プロとして、売れる見込みが無いと判断できるなら、はっきりとそう言います。「このままでは売れませんよ」と。需要が無いのか、供給量が既に多すぎるのか、よく分からない商売なのか、理由も言います。その上でどうしたらいいのかまで「セット」でお伝えします。それが相談に来てくれた人への「誠意」だと思うからです。
私の個別コンサルに来て、起業を諦めた人もいます。違う商売に鞍替えした人もいます。そういう人のほぼ全員が、今はとても幸せそうです。
「あの時に軌道修正してもらえたおかげで、今はなんとかやっていけてます」というメールをよくもらいます。感謝されることは多いですが、恨まれたり、怒られたことは一度もありません。
私は14年もコンサルタントをやっていますが、未だかつて「声を張り上げたこと」はありません。あくまでも冷静に、淡々と話します。相談者は、本気で人生を変えようと思い、来てくれています。そういう人には、こちらも本気で立ち向かわなければいけません。それがプロとしての「プライド」であり、相談者への「誠意」です。