日本全国どこの繁華街に行っても、路上で居酒屋の呼び込みをやっています。条例によっては違法なのですが、そんなことをしないといけないほど、このお店には人が来ないんだなと思ってしまいます。利用客の心理としては、呼び込みをされればされるほど入りたくなくなります。
そんなお店に引っかかる人もいます。特に、地方から出てきた気の弱い人や酔っぱらいに多く、ぼったくりの被害に遭ったり、カードのスキミングをされたりします。当然、満足度は低く、場合によっては警察沙汰になることもあります。
あなたが最近実際に足を運んだお店を思い出してみてください。そこには「自分の意思」が働いているはずです。誰かに強引に誘われた訳ではなく、自ら見つけ、興味を持ち、調べ、日時をやりくりして、そこに向かったはずです。
そういう意思のもと訪れたお店は、多少、場所が分かりにくくても、嫌な気持ちにはなりません。少し値が張っても満足度は高いです。なぜなら「自分が行こうとしたから」です。
つまり、人から強引に誘い込まれ、意思とは関係なく連れ込まれた店の満足度は低く、自分の意思で訪問したお店の満足度は高くなる、ということです。
これは実店舗を構えている居酒屋の例ですが、ネット上でも同じことが起こっています。サイト上にいくつも派手なバナーや装飾を施したり、やたらとメルマガやLINEに誘導したがる人が多いですが、やっていることは居酒屋の呼び込みと変わりません。
お客様は、そんなものは見たくないのです。意思とは関係なく、広告や宣伝を見せられる時間がもったいないと感じています。そんなことはどうでもいいから、さっさと知りたいことを教えてほしいというのが、お客様の本音です。
こういうサイト作りをしている人に限って、自身は広告や宣伝を見るのが嫌だと言います。メルマガもLINEも登録したくないと主張します。なぜ、自分が嫌なことを、お客様がやってくれると思うのでしょうか。不思議な思考回路です。
自分がされて嫌なことは、他人にしないことです。路上で居酒屋の店員から声をかけられて嫌だなと思う人は、他人にも声をかけてはいけません。いかにそういうことをせずに、お客様の方からやって来てもらうかを、一度、真剣に考えてみてください。商売とは、その繰り返しです。