「Amazonのビジネス書ランキングを参考に本をたくさん読んでいるのですが、悩みが全く解決しないのはなぜでしょうか?」と勉強熱心な方から相談されました。読んだ本のリストを見せてもらうと、すぐに答えが分かりました。
この方はあまり偏差値の高くない大学の出身で、卒業後は地元の中小企業で働いていました。一方、読んでいる本の著者は、慶応や早稲田出身の人が多く、大手企業や外資系企業に勤務した後、独立している人がほとんどでした。この時点でズレています。
- 相談者:三流大学〜中小企業
- 著者:一流大学〜大企業or外資系企業
このように、生まれ持った頭脳レベルも、働いていた会社の規模も、やっていた仕事も、もらっていた給料も、何もかもが違いすぎます。これでは参考になりません。参考にするなら、自分と境遇やキャリアが近い人にするべきです。
そもそも、ビジネス書というのは、その著者の人生で起こったことであり、その中で「たまたま」上手くいった事例を書いているものです。そのやり方があなたに当てはまる可能性は限りなく低く、再現性に乏しいです。たくさん読んでみようという意気込みはすばらしいですが、それだけで問題や悩みが解決するとは思わない方が良いでしょう。
一冊の中に「たった一つ」だけでもヒントがあれば儲けもの。このくらいのスタンスで読むのがおすすめです。あまり期待し過ぎると、がっかりすることが増えます。たかだが1,000円〜2,000円の商品に、そこまで多くを求めないことです。
世の中になぜ「相談業」が存在するのかというと、人それぞれの事情に寄り添って話を聞いてもらったり、環境の特異性を活かした商品やサービスを開発してほしいという需要があるからです。
私のやっている「個別コンサル」もまさしくそういう仕事で、お客様一人ひとりの事情や環境に合わせて、最適な解決策を提案するからこそ、満足度が上がるのです。
本を読んだだけでは解決しない悩みが、あなたにもきっとあるはずです。そんな時には、ここに書いたことを思い出してみてください。「あぁ、だからか」と納得できるはずです。