先日、新橋にある老舗のビアホールに行きました。東京でビールといえばあそこ、と数々のメディアで書かれるくらいの名店なのですが、接客が素晴らしかったです。
名物のメンチカツを筆頭に、いくつか注文しました。
- メンチカツ
- ポテトサラダ
- 合鴨燻製のサラダ
よく考えたらサラダが被っていることに書いていてようやく気付いたのですが、それは置いておいて、店員さんがこのような声がけをしてくれました。
「ポテトサラダはメンチカツに少し載っていますが、どうされますか?それとサラダは小サイズでも充分な量なので、そうすることをおすすめします」
思わず唸ってしまいました。お店にとっては、注文通りにした方が売上は増えます。が、それを減らしてでも、お客様にとって何がベストなのかを提案する。これこそ、プロの仕事だなと思いました。
店員さんの言う通りにして正解でした。ポテトサラダはメンチカツに付いている量で良かったし、合鴨燻製のサラダは小サイズで充分でした。この時点で、その店員さんと、お店のことが好きになり、再訪を固く誓ったのです。
マーケティングの世界には「クロスセル」という手法があります。少しでも客単価を上げるために「ポテトも一緒にいかがですか?」と買わせるやり方です。私はこれが大嫌いです。そういうことを言われると、二度と行きたくなくなります。
お客様にとっては必要ないのに、売上や利益を上げるために、不要なものまで買わせるという考え方が、どうも好きになれません。このビアホールは、その「真逆」をやってくれました。だからこそ、好きになったのです。
結局、商売とはこういうものだと思います。自分のことばかり考えている人は、目先の利益を追いがちです。結果、お客様に嫌われ、最終的には潰れてしまいます。このパターンは企業でも同じです。
目先の利益にとらわれず、お客様にとってベストな提案をし続ける人やお店は好かれます。良い口コミが広がったり、リピーターが増えます。結果、お客様に好かれ、継続的に商売が繁盛するのです。
この「法則」をしっかり覚えておいてください。今、自分がやろうとしていることは、目先の利益のためなのか、お客様の利益のためなのか。常に問う姿勢が大事です。お客様にも、その姿は、きっと見えています。