「起業したいんです」という人から相談を受けて、一瞬で「この人は失敗するな」と思うのは「月にいくら稼ぎたいです」と起業する前から具体的な数字を口にする人です。
「月に30万円稼ぎたいです」とか「月商100万円まで行きたいです」という人がよくいますが、こういう人が実際にそうなる確率はほぼ「ゼロ」です。
どんな商品を売るのか、どうやってお客様の役に立つのか。そんなことを全てすっ飛ばして、自分の稼ぎのこと「しか」考えていません。そんな人から商品やサービスを買いたいと思う人はいません。
あなたが買い手になった時のことを想像してみてください。自分の稼ぎばかり考えているAさんと、お客様の役に立とうと思ってサービスを提供しているBさんと、どちらから買いたいでしょうか?数字ばかり気にしている人は、Aさんと同じことをやっているということです。
売れるようになる人は、お金のことや数字のことはほとんど気にしていません。それよりもお客様の為になるにはどうしたらいいかを懸命に考えています。その「結果」として、売上や数字が付いてくるのです。
先に稼ぐ額を決めると、お客様が「お金」に見えてしまいます。「この人に売れたから1万円稼げた」という風に、数字としてカウントするようになります。買ってくれた人に対して感謝の気持ちが薄れます。それが徐々にバレてきて、どんどん人が離れていくのです。冗談抜きで、会社が倒産する時というのは、ほぼ全てこのパターンです。
「月に30万円稼ぎたいんです」という人は、周りから応援されません。「こういうことに困っている人の為に、こんな商品やサービスを提供したいんです」という人は、周りから応援されます。どちらの方がより成功しやすいか。少し考えたら分かると思います。
私の元に相談に来る人の中にも、最初は稼ぐ額ばかり気にしていた人がたくさんいます。初めての起業で、お金のことばかり考えるのは普通のことであり、それ自体は問題ありません。
プロに教えてもらって「起業に対するスタンスの悪さ」に気付き、売れるようになっていく人もたくさんいます。他人の話を聞く素直さがあれば大丈夫です。
幸運なことに、うちのお客様には、そういう人が多いです。そういう人ばかり集まるように、仕向けているからです。