「好きなことをして生きていきましょう」とか「好きなことを仕事にしましょう」という風潮がここ数年強いですが、そのジャンルで生きていけるかどうかは「運と才能と需要」がある場合だけです。それを無視して本当に好きなことばかりやっていると、確実に貧しくなります。
例えばスイーツが好きな人が、スイーツのことをSNSに熱心に投稿しても、それが仕事に繋がるかどうかは別問題です。運良くテレビ番組のスタッフに見つかれば良いですが、そんな人はたくさんいるので、競争が激しいです。
お店を探す嗅覚や、写真を上手に撮るセンス、文章力や表現力も必要でしょう。何よりも、結果が出なくても淡々と続ける才能が必要です。
それら全てがあったとしても、メディアに取り上げられるかどうかは、これまた運次第です。自分ではどうにもなりません。
運良く取り上げられても、単発で終わる場合がほとんどです。ギャラも出ません。奇跡的にここまで辿り着いても「売上ゼロ」です。それならその時間を使ってバイトでもした方が、収入としては多くなります。
スイーツにかけるお金も、交通費もかかります。好きなことをするのは大事なことですが、それにかかる費用をまずは稼いでからの方が、目一杯楽しめます。
ネット上や頭の悪そうな女が読みそうな「お手軽な自己啓発本」には、好きなことを仕事にした人のキラキラした「物語」がよく書かれています。あれを鵜呑みにして、自分にも出来ると思っている時点で、かなり頭が悪いなと思います。
自分の才能はどこにあるのか。才能があったとして、その分野にはどれだけ需要があるのか。そこまで冷静に客観的に分析できる人でないと、売れるようにはなりません。売れる人というのは、そういうことを日々やっています。そういう人に運は向いてくるのです。
売れている人の「表面」だけ見ると、失敗する可能性が極めて高いということを、よく覚えておきましょう。