横浜の馬車道駅直結の施設で行われている村野藤吾展&槇文彦展に行ってきた。
この二人の並びを見た時点で、すぐに「行こう!」と思ったのだが、結局、会期ギリギリ。が、行って良かった。
まずは村野藤吾展から。旧横浜市庁舎の平面図や立面図、パースが展示され、手書きの指示書きもある。これは資料として貴重。良いものが見れた。
他にも、日生劇場の入る日本生命日比谷ビル、有楽町駅前のよみうりホールのある読売会館、新高輪プリンスホテル、今は目黒区役所として使用されている旧千代田生命本社ビルという、馴染み深い建築物の写真と模型が展示されていた。
驚いたのは、村野藤吾は家具のデザインもしていたということ。日本橋高島屋特別食堂の椅子があり「欲しいな」と思った。京都にあるウエスティン都ホテルの数奇屋風別館佳水園は「泊まりたいな」と思った。
村野藤吾は佐賀の生まれで大阪に事務所を構えていたが、西武グループの仕事を多く手掛け、箱根プリンスホテルなんかも設計している。こういうことは、ここに行くまで知らなかった。やはり、実際に現場に見に行くのは大事だと痛感。そんな思いを胸に、お次は道の反対側で開催中の槇文彦展へ。
この方は、まだご存命。代官山のヒルサイドテラスや表参道のスパイラルビル、東京体育館に幕張メッセ、テレビ朝日に東京電機大学の北千住キャンパスなんかも手掛けている。
で、この会場の真横にある横浜市庁舎の紹介が存分にあり、それを見て帰ってねという寸法。もちろん見て帰りましたとも。三階にある市民ラウンジが素晴らしい。横浜ベイエリアが一望できる。無料でこんな景色が見れるとは。近くに住んでいたら、毎日のように来てしまいそうだ。
前職が住宅関連の仕事をしていた関係で、家の写真は随分と見てきた。そこから「派生」して建築物にも興味が芽生え、色々と勉強するようになり、本で読んで気になった挙句、わざわざ電車に乗って「建物だけ」見に行ったりするまでに。今やすっかり建築マニアだ。
そんな人間からすると、村野藤吾と槇文彦というのは、野球ファンで言う「王・長島」みたいなもの。こんなに偉大な人物の作品が実際に見れる。しかも家のすぐ近くに「ゴロゴロ」ある。というのは、とても幸せなことだなと思った。
建築関連の展覧会って、あまりやらない。マニアック過ぎるから。でもファンは確実にいる。だからもっとやれば良いのに。と、周りはみんな思っているのに、建築家本人にその気がないのかもしれない。そういうことを考えると、この展覧会は貴重な体験だった。行って本当に良かった。