「インバウンド客はいつ戻ると思いますか?」と、個別コンサルで質問されました。早くても2022年以降だと思います、と答えました。
インバウンド客の中心は、中国、台湾、韓国です。全てコロナを封じ込めている国です。日本はまだまだコロナを封じ込めていません。そんな国にわざわざやってくる理由が、今のところないのです。それなら「安全な」自国内で旅行もグルメも楽しみます。
ワクチン接種のスケジュールを見ていると、だいたいの予想はつきます。現時点で担当大臣がこんな風に言っています。
高齢者への接種が4月以降で、終了が6月の第3週とのこと。それがどこまで効果あるか分かりませんが、仮に効果があったとしても、ようやく日本人の中で感染が収まっただけの話です。そこからすぐにインバウンド客が押し寄せるとは思いません。
中国も台湾も韓国も、そのくらいのことなら、とっくに出来ています。それより対応の遅れている国に、リスクを冒してわざわざやっては来ません。観光業や宿泊業のように、来てほしい事業者は多いでしょうが、それとこれとは話が別なのです。
高齢者への接種が終わった後に、基礎疾患のある人への接種です。それが終わってようやく一般国民への接種です。そう考えると、年内いっぱいかかってもおかしくありません。
ワクチンの確保の問題もあるでしょう。マスクを世界中で奪い合ったように、次はワクチンの奪い合いが起こるかもしれません。日本政府は、今のところ一定の量は確保していますが、変異種に効かないとなれば、また作り直しです。保管用の超低音冷蔵庫や輸送手段、接種場所の確保や医師の手配等、問題は山積みです。
当面、今のようなグダグダした状態は続きます。2021年はインバウンド客は戻らない。これはほぼ「確定」ではないでしょうか。そう思っておいて、奇跡的に消費が回復したらラッキー。そのくらいの心構えが良いと思います。