スマホの電源は、一日に10時間しか入っていない。そう言うと、たいそうビックリされる。
夜、寝る前に機内モードにする。だいたい22時頃。それから翌朝までずっとそのままで、場合によっては昼過ぎまで、通常モードにしない。述べ14時間くらいか。そんな日がしょっちゅうある。
昔から携帯電話が嫌いだ。電話がかかってくるのが億劫で、仕事で使っていた時も、しょっちゅう無視していた。よく怒られたが、最終的には「そういう奴なのだ」と諦めてもらった。
電話というのは、無断で相手の領域に土足で入る行為。それが許せない。こっちには、こっちのペースがある。そこに断りもなく入ってくるなんて、なんて無礼な奴だ。本気でそう思っている。
携帯電話を携帯していないことも、けっこう多い。別に無くても困らないし、持ち歩いていないことにすら気付かないこともある。私にとっては、そのくらい関心の低いものなのだ。
だから四六時中触っている人が、不思議で仕方ない。この人は、完全に機械に支配されているな。そう思って観察している。
よく考えると、携帯の番号を変えてからというものの、ほぼ誰にも教えていない。家族とごく身近な人間のみ。今やほとんどの連絡はLINEなので、電話がかかってくるのは、機械嫌いで携帯電話を持っていない母親のみ。しかも通話の通知設定がオフなので、いつも全く気付かない。
おいおい。これ、もはや携帯電話いらないんじゃないのか?そんな風に思いながら、ずっと持ち続けている。中学生の頃から持っていて、学校内では誰よりも早かった。人とは、そういう矛盾した生き物なのだ。