勝ち負けを決めるのは、生まれつきの才能だけではありません。天才に限って早逝だったりします。特別な能力が無くても、最後まで残ったから勝った。そういう場合が多いのです。
会社の出世競争で最終的にトップに上り詰めるのは「無難で普通の人」です。大きな企業になればなるほど、その傾向が強いです。
社内で出世欲をギラギラさせている人は、必ず邪魔をされます。上司や先輩からは生意気だと言われ、干されることもあります。ここでは自分のことを評価してもらえないと見切りをつけ、さっさと辞めていきます。
社内の派閥争いに巻き込まれると、足の引っ張り合いになります。どちらかが勝利すればもう片方は冷遇されます。そんな時代がしばらく続いたら、その後また「反対派」が出てきます。それが何度も続き、気付いたら誰も残っていないのです。
誰ともつるまず、一人で淡々とやっている人は、どこの「色」もついていません。面白味はありませんが、害もありません。この人じゃないといけないというより、この人「で」良いかという人材です。それが大企業のトップにはちょうどいいのです。
どんな業界でも、勝ち組と負け組に分かれます。正確に言うと、圧倒的な1位とその他大勢です。1位の企業は、その業界が儲からなかった頃からずっと、試行錯誤を繰り返し続けています。
数年に一度は倒産の危機を迎えながら、それでもなんとかやってきました。ライバル企業はどんどん潰れていきます。目の前のことに必死になっていて、気付いたら周りに誰もいなかった。それが率直な感想だと思います。
個人事業主やフリーランスでも同じです。長年、その業界で活躍している人というのは、優秀な人というより、淡々とやり続けている人です。「あまり儲からないから」と、周りがどんどん辞めていく中、コツコツと地味に続けています。長い目で見ると、この方がよっぽど儲かるのです。
そのことさえ分かっていれば、すぐに売れなくても焦らなくなります。工夫するのが楽しくなります。そういう人の方が結果的には売れるようになるのです。