嵐の二宮和也さん主演した映画の原作本。私の生まれ故郷である三重県津市にある写真屋さんが舞台なので読んでみることに。津観音、阿漕裏、生協病院、フェニックス通りと、津市民に馴染みのある場所が出てくる最初の章だけ読んで、あとは流し読みした一冊。
今やすっかりタレント化した古市憲寿さんの週刊新潮の連載をまとめた一冊。2018年〜2020年分なので、令和への改元、コロナ禍に関する記述多数。誰にも忖度せず、言いたいことを言う芸風は相変わらず。テレビで言えないことをこのエッセイにぶつけているのだと思えばかわいいもの。
山口組を取材して50年というノンフィクションライター溝口敦氏の半生記。徳間書店に新卒で入ったとか、中途採用で博報堂に入社後7年もいたとか、知らない話が連発。思わず「大丈夫か?」と思うような強気な発言や実名がどんどん出てくるので、読んでいる方はハラハラする一冊。
実際に起こった事件を題材に、どんでん返しが冴え渡る、中山七里さんの短編集。人間観察のプロである主人公の刑事が、人の心の奥底にある「醜さ」を炙り出す様がお見事。2013年にハードカバーで発売後、文庫になっても増刷を繰り返しているのが頷ける一冊。
立川談志と繋がりの深かった竹書房から出版されているまくらコレクションの最新刊。今作は「にっかん飛切落語会」に出演したものを、1975年〜2007年分まで収録。文字で読んでも目の前で喋っているように錯覚する威勢の良さと物事の本質を見抜く鋭さにゾクゾクする。何度も吹き出してしまい、電車で読まなくて良かったと思った一冊。