鶯谷のキネマ倶楽部でライブを見る小一時間前。行こうと思っていた飲み屋がことごとく閉まっていたので、仕方ないかと安定の日高屋にIN。喉が乾いていたので、生ビールを注文した後に、悲劇は起きた。
【執筆者:笹野健】
(女性専門のブログ集客コンサルタント。2009年に起業して以来、13年間で3,900名以上の女性の相談に乗り、アドバイスしたお客様の売上総額は「1億円」を突破。詳しいプロフィールはこちら。)
私が座ったのはカウンターが3つ並び、それが逆サイドにも背並びにあるところの一番奥。先客として、右手前におじさん一人。この人、この話の超重要人物。
タッチパネルで野菜たっぷりタンメン+半チャーハンと生ビールを注文後、しばし待っていると、こちらの方に見慣れないロボットが。名札として「見習い:うぐいす君」と書いてある。
うぐいす君はおじさんの手前でピタリと止まり、見事に配膳を完了。テレビでこういう光景は見たことあるが、実際に目の前で見ると「ほほぉ〜」と思う。
その後しばらくして私の生ビールが運ばれてきた。うぐいす君に乗って。この席に到着するには、手前で大きくカーブしないといけないのだが、そこに運悪くおじさんの椅子があり、危ないなと思った直後、思いっきりビールをぶちまけた。そのおじさんに。
まるでスローモーションを見ているようだったが、おじさんはビールまみれになってしまい、慌てて店員さんを呼ぶことに。
中国人の彼は第一声として「クリーニング代はお支払いします」と言った。そうか。まずは金で解決かと思ったが、おじさんはやんわりと拒否。「とにかく拭いてくれたらそれで良いから」と真摯な対応。
私とも目が合い、なんと言っていいのか分からず、とにかく口からこぼれた言葉が「大丈夫ですか?」だけ。そう言うとおじさんは一言こう返した。「あなたは何も悪くない」と。しびれるぜ、鶯谷のナイスミドル。
おじさんの拭き拭きタイムが終わり、ようやく私の元へ生ビールが。当然のように、店員さんの手によって運ばれてきた。
おじさんは服が濡れた状態のまま、床がビールまみれになったまま、定食を完食。会計の際にまた件の店員さんが寄ってきて、今日の会計はもらえないこと+クリーニング大を支払うことを提案したが、これまた拒否。
会計は払わないが、クリーニング代はいらないと言って、そそくさと出ていった。「あぁ、ようやく終わった」と思い、自分の食事に集中することに。
が、配膳・運搬ロボットはその後も店内を縦横無尽に徘徊している。料理が運ばれる度に「大丈夫か?」と心配になる。もはや親の気持ち。
人手不足は理解できるが、やはりドリンクや汁物は危険だ。それならいっそのこと、客が自分で取りに行くスタイルの方が良い。フードコートや食堂はみんなそうだし、それで特に問題が起きていないのだから。
とか思いながら食べた日高屋の野菜たっぷりタンメンはやはり美味しかった。というか、日高屋ではこれしかほとんど食べたことがない。次にどこかの日高屋に入った時、配膳・運搬ロボットがいたら、同じようにヒヤヒヤしてしまうと思う。