最近すっかり見かけなくなったザブングル加藤さんの節約本。割とベーシックな節約術を紹介しているが、節約で浮いたお金を「副収入」と考えようという提案は新しいなと思った。先行きの見通せない現代によくマッチしていると感じた一冊。
2021年7月に出た本なので、既に衰退しているビジネスがいくつも見受けられたのには、時代の流れの早さを感じる。コロナで色んなビジネスが生み出されたが、結局、人の行動はなかなか変わらない。オンラインドクターやバーチャル内見等、便利で自分が得するものだけが残る。そういう観点で読んだ方が良い一冊。
品川駅構内の本屋さんで見つけ、概要を読んだだけでめちゃくちゃ面白そうと思ったが、700ページ以上もあるので読むのに時間がかかりそうだなと躊躇。が、たった3日で読破した一冊。戦後最大の詐欺集団と呼ばれた「豊田商事事件」をベースに、その残党が新たな詐欺に乗り出し、巨額の報酬を稼ぎ、裏切りに遭い、不幸の死を遂げる者も現れ、ヤクザと持ちつ持たれつの仲になっていくというストーリー。家族との軋轢も含め、人間心理の複雑さがよく学べる。
民藝運動を牽引した柳宗悦を特集した全編カラーの雑誌。よくぞ個人がここまで集めたなと素直に感服。麻布に生まれ、学習院に進んだ「ボンボン」だが、ルーツが私と同じ三重県津市と一緒だと初めて知る。
普段からよく美術館は行くし、ミュージアムショップも必ず覗くが、買うのはせいぜいポストカードくらい。だからこんな本でも読まない限り、あれこれ売っているなんて知る由もない。定番のマスキングテープは想像できるが、まさかハッピやネックピロー、けん玉まで売っているとは。美術館通いがますます楽しくなる一冊。
日本一のネット編集者として有名な中川淳一郎さんの新書。この人の本は毎回歯切れが良くて気持ち良い。以下、印象に残った部分を抜粋。
・炎上は日本人最大の娯楽となった。
・ネットの炎上は人類に良い影響はもたらさない。不満を持った者にとってある程度のガス抜きになるくらいだ。
・ネットはもはやおかしな世界なのだ。一部のアタアカ(頭がおかしい人)が一ヶ所に集まり、そこで同じような意見が書き込まれる。そしてそのおかしな意見が「世論」めいたものになるのだ。
・基本的にはネットでは目立ち過ぎると叩かれる。そしてレッテルを貼られ、アンチからボコボコに叩かれる。
・常に誰かを悪者にしなくては心の平穏が保てないのが人間というものの性なのである。
東京出身、大阪在住のライターであるスズキナオさんが、コロナ禍の大阪の街をあちこち取材してまとめた新書。大阪に関する本は大阪人が書くことが多く、外部の人間から見た客観的な意見が新鮮に映る一冊。