「日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金を利用しようと思っています」という方が以前いました。
詳しく聞いてみると、最大で7,200万円まで融資してもらえるとのこと。それはそれとして、この人のやりたいことを聞いてみると、大してお金はかかりません。どう計算しても、7,200万円も必要ありません。それなら、融資してもらわなくても、充分にやっていけます。
なぜ、その制度を利用しようと思ったのですか?と聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
・起業セミナーに行き、この制度を知った
・最大で7,200万円まで融資してもらえると聞いた
・老後も心配だし、お金はあった方が安心
・もらえるならもらっておこう
・申し込もうかな?←今ここ
この人のように「起業=お金を借りること」だと勘違いしている人が結構います。必要のないお金を借りても、使い道がありません。返せるアテもありません。それなら最初から借りない方が良いのです。
いくらかかるのかをもっと厳密に計算し、自分の手持ちの予算で出来ないかを、まずは考えてみることです。それで足りなければ、もう少し安くやる方法はないかなと考えましょう。そうしてみると、意外と出来たりします。
起業のスタート時に無駄にお金をかけ過ぎると、ほぼ100%失敗します。そんな人を今までにたくさん見てきました。もう見たくありません。
融資に関する書類を作る労力を、お客様やサービスの向上に使いましょう。その方がよっぽど成功の確率は上がります。
余分なお金があれば使ってしまいますが、お金が無ければ人は「工夫」するようになります。その時に出たアイデアや試行錯誤の積み重ねが、成功に近づけてくれるのです。そのことを理解しておけば、必要のない融資を受けようという発想は無くなります。
言っておきますが、融資というのは「借金」です。長い年月をかけて、金利を乗せて返済しなければなりません。返せなければ「督促」も来ます。そんなことすら分かってない人は、絶対に借りてはいけません。つまり、あなたには必要ないのです。