「繁盛店」と呼ばれるお店を観察していると気付くのが、どんな業種でも人気メニューはお店につき1つか2つだという事実です。
ラーメン店では、それぞれのお店に特徴があります。醤油ラーメンが人気のお店では、醤油ラーメンに注文が殺到します。味噌ラーメンが人気のお店では、味噌ラーメンに注文が殺到します。一応、他のメニューもありますが、やはり「一番人気が食べたい」と思う人が大半です。
スイーツ店では、モンブランが売れているお店では、ほとんどモンブランしか売れません。シュークリームが人気のお店では、シュークリームだけで一日に100個も売れたりします。「インスタで見たあのモンブランを」とか「ラビットで見たシュークリームを」というように、指名買いしに来るのです。
どれだけ人気があろうとも、その中で売れているのはたった1つか2つです。逆に言うと、人気メニューが1つか2つあれば、繁盛店になる可能性があります。
起業の相談に乗っていてよく思うのが「売れてない人ほど、あれもこれもしたがる」ということです。とにかく目の前のことを懸命にやればいいのに、現実から目をそらして、はるか遠くの将来について語ったり、途方も無い理想に酔いしれています。
売れるようになる人は、とにかく1つでも良いから結果を出そうとします。自分の強みや弱みを客観的に分析してもらい、どこで勝負すれば勝てるのかを明確にしようとします。それが分かれば、後はとことんやるだけなので、目標に到達するのも早いです。
起業してから売れるようになる為には、いかにこの1つ目の人気メニューを見つけるか、あるいは開発できるかにかかっています。そこまでの距離が短ければ短いほど、早く黒字化したり、商売として継続できる年数が伸びたりします。
たった1つで良いのです。が、そのたった1つさえ見つけることが出来ず、生み出すことが出来ず、多くの人が足を洗って行きます。これが商売の醍醐味といえば醍醐味ですが、そこまで考えてやってない人が多いのも、また現実です。