セルフブランディングの本には「ストーリー性が大事」だと、よく書いてあります。それを鵜呑みにして、無理に「苦労物語」を作り上げたものの、読んでいる方からすると「痛いな」と思われている人が多いなという印象を受けます。
そもそも、ストーリーというのは、無理に作り上げるものではありません。あれこれ試行錯誤した「結果として」ストーリーになっていた、というのが正しい順序です。これを間違えると「不自然」に感じ、嘘っぽくなります。
お客様が求めているのは、ストーリーではありません。ストーリーを買いたいと思う人はいません。あくまで欲しいのは商品であり、サービスです。買うかどうかの判断材料の一つとしてストーリーがあるのは理解できますが、それが「メイン」ではないということです。
新卒の採用試験の面接官は、学生の話す「頑張って取り組んだこと」や「自分なりのエピソード」に飽き飽きしています。みんな似たようなことを言うので、面白みが感じられないからです。
これと同じことが、セルフブランディングをしたい女性起業家のブログでも起こっています。ほとんどの人が、今までの苦労話や挫折の経験、そこから這い上がったエピソードを書いていますが、中身に個性がありません。
写真も同じような角度で、同じような服装・髪型・メイクをしています。個性的にアピールしようとしている人ほど、なぜか同じような姿かたちになってしまうのです。
無理にストーリーなんて作らなくて大丈夫です。夢中になってやっていたら、人が興味を持つようなエピソードの一つや二つは起こります。そういう状況になるまで必死にやる。それが「自分だけのブランド」を作る一番の近道です。