「仕事のやる気が出ないんです」と品川にある会社にお勤めだという方に相談されました。「だから起業を考えているんですけど、どんな仕事がいいですかね?」と聞かれたので、やる気がいらない仕事をすると良いですよ、と答えました。
なぜ、やる気が必要かというと、やりたくもないことをやっているからです。日本人の「99%」はやりたくもない仕事を、やりたくもない相手と、行きたくもない場所でやっています。ほとんどの人が、毎日不満ばかり漏らしているのは、このせいです。だから「よいしょ」という気合がないと、ノルマが達成できなかったり、会社まで辿り着けないのです。
人は、自分の好きなことには、やる気を必要としません。放っておいても自然とやれるようになるし、気付いたらそこまで行っています。そういうことが仕事にできたらベストです。
例えば「推し活」にはやる気がいりません。自分が好きな人のためなら、朝早く起きれるし、身銭を切ってイベントにも参加できます。ここにはやる気という「概念」がありません。
年間で何本もライブを観に行くような大好きなアーティストが、あなたにいたとします。グッズを買ったり、地方まで遠征したりと、そこにかかる「労力」は莫大なものですが、全く苦にならないはずです。なぜなら「好きでやっているから」です。これを仕事に当てはめてみましょう。
人に強制されるのではなく、時間が空いたら、ついついやってしまうようなことが何か無いでしょうか?それが、あなたの好きなことです。その分野を徹底的に調べたり深堀りしたら、何かしらの「仕事」にならないでしょうか?そういうことから考えていくと、起業は楽しくなります。
この相談者は「絵を描くのが好き」ということだったので「好きなだけ描いて、それをネット上にどんどんアップしたら良いですよ」とアドバイスしました。うちのお客様にはこういう人が多く、インスタグラムで作品を発表し、それがすぐに売れるようになった人もいます。
やる気なんて、出ないのが「普通」です。無理に出そうとしても、すぐに息切れするので、長続きしません。やがて枯れ果て、心身共に疲れてしまうのがオチです。
それなら最初からやる気なんて不要なことをやった方が、効率が良いし、成果も出やすいです。そういう風に発想を転換すると、また新たな道が見えてきます。
ちなみに私は、起業してから一度もやる気を出したことはありません。やる気が必要な仕事なら、そもそもやってません。お客様と会って二時間喋るのは「レジャー」だと思っています。こういう仕事の方が、結局は長く続くのです。