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「独立したら仕事を回すよ」という言葉を信じてはいけない

「会社を辞めて、独立を考えている」ということを周囲に相談すると「独立したら連絡してください。お願いしたいことも多々あるので、仕事を回しますよ」と、返してくる人がいますが、この言葉を鵜呑みにすると、痛い目に遭います。

 

松本清張の長編小説に「夜光の階段」があります。ここに出てくる女性誌の編集者は、上司と揉めて会社を辞めることになります。本人は仕事が出来ると思い込んでいて、芸能界や業界人にも顔が広く、独立してライターになれば、今よりは稼げるという自信があります。

 

親友だと思っている他の出版社の編集者に相談すると、その場で「是非、うちの雑誌で書いてほしい」と言われます。そういうことを何人にも言われ、完全に「その気」になり、いよいよ会社を辞める日がやってきました。

 

いざ独立してみると、想像とはまるで違っていました。原稿を持ち込んでも採用されず、懇意にしていた芸能人には冷たくあしらわれ、デビュー時から面倒を見てきた女優からは明らかに避けられます。

 

結局、その雑誌や出版社が有名なので、周りは言うことを聞いていただけであり、書き手としての実力もありませんでした。独立すると聞かされたら、嘘でも「絶対に大丈夫、成功する」とでも言っておかないと何かと面倒なので、そう言っているだけに過ぎなかったのです。

 

これは小説なので客観的に読めますが、実は同じようなことは現実にもよく起こっています。明らかに実力不足で、商才も無く、独立に向いてない人は山ほどいますが、それを正直に指摘してくれる人は滅多にいません。

 

心の奥底では「どう考えても無理だろう」と思っていても、キラキラした目で「あなたなら絶対に大丈夫」とか、平気で言えてしまう人も、これまた山ほどいます。特に女性同士の場合、相手に嫌われたくないという心理が働いたり、キツいことを言いにくいので、そういう傾向にあります。

 

あなたが独立を考えているなら、家族や友達、知人、取引先「以外」の人に相談するべきです。その方が、あなたの実力も、状況も、冷静に、客観的に判断できます。

 

友情も利害関係も無い人であれば、正直に、素直に言ってくれるでしょう。そこを避けて通り、嘘にまみれた「おべんちゃ」に甘える人ほど、起業の成功率は下がります。

 

ちなみに、この小説に出てくる編集者は、さんざん悪事を働き、夫に殺されてしまいます。身分不相応な独立を企てた頃から、運気が悪くなりました。やはり、因果応報というか、向いてないことをやると、人は不幸に陥るんだなと痛感しました。

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