「女性向けの自己啓発本をたくさん読んでみたのですが、どれもこれも書いてあることが同じで、あまり参考になりませんでした」という鋭い意見をお持ちの方が、個別コンサルに来てくれました。
「そうなんだ」と思い、私も何冊か読んでみました。確かに、どれもこれも同じようなことばかり書いてありました。頻繁に見たフレーズは以下の通りです。
- 好きなことや自分の望みを紙に書き出そう
- 欲しい物や望みは思いっきり贅沢に
- ワクワクするだけで願いはあっさり叶う
- 頑張らなくていいよ
- 共感しよう
- 自分を大事にしよう
- ミラクルは簡単に起こる
- 仲間を大切に
こうやって列挙してみるとよく分かると思いますが、具体的なことは何も言っておらず、全て「気の持ちよう」に過ぎません。これではただの精神論や感情論です。
もう少し具体的なことを書いている本もありましたが、似たようなことが大半でした。
- SNSで自分をアピールしよう
- ブログには読者が読みたいことを書こう
- メルマガやLINE公式に誘導しよう
- ファンを増やそう
- 自分から「GIVE(与える)」することが大事
- 名刺には思いっきりこだわろう
- まずは無料や低料金で「お試し」してもらおう
- 同業者との違いをはっきりさせよう
こんなこと、改めて本に書くほどのことではありません。やれることは既にみんなやっているし、それでも結果が出ないから困っているのです。初歩の初歩といえばそうかもしれませんが、これらをやり続けたとして、売れるようになる人がいるとは思えません。
その証拠に、こういう本の著者のサイトやブログを見てみると、肝心の実績がほとんど書いてありません。あっても「数人程度」で、これなら友達に依頼して名前だけ貸してもらえば、嘘でも書けてしまいます。
それともし本当にこの人たちが有能なら、世の中に「売れっ子起業女子」が溢れているはずですが、現実はそうはなっていません。それが何よりの「証拠」ではないでしょうか。
女性向けの自己啓発本の著者は、たまたまラッキーだっただけで、なぜ自分がそうなれたか分かっていなかったり、言語化できない人が大半です。出版社にはこんな本を出したら売れるという「データ」があるので、それに沿って、同じようなことを書いているだけです。
自分の願いを紙に書いてワクワクするだけで叶ったら、誰も困りません。冷静に客観的に読めば、おかしいということは分かりますが、そうは思わない「単純で流されやすい人」を集めるために、わざと抽象的なことばかり書いているのだと思います。
やっていることは「振り込め詐欺のメール」と同じです。あるいは「宗教の勧誘」とも似ています。著者のビジネスにとっては有益かもしれませんが、それを鵜呑みにして騙され続けている人があまりにも多いのは、正直どうかと思います。
というようなことを書くと、同じように思っている人が「そうだ、そうだ」と私の元にやってきます。多い時で、年間100人は超えます。きっとあなたも、そのうちの一人だと思います。