最近よく思うのが「一回目の起業で絶対に成功したい!」と強く思っている人が、とても多いということです。そんな都合の良いこと、滅多にないのになと思うのですが、顔に出さず黙って聞いています。
よく考えてみてください。一回目で成功するということは、百発百中ならぬ「一発一中」です。ダーツを一度投げて、それがど真ん中に突き刺さるということです。
野球でいうと「打率10割」です。あのイチローや大谷翔平でもせいぜい3割なのに、その3倍以上の実力と実績と運を、あなたは持っているのですか?と聞いてみたくなります。
個人事業主やフリーランス、飲食店の店主の話を聞いていると、何度も失敗しています。それにめげることなく、何度も立ち上がり、遂には今の地位まで上り詰めた。そういう人が大半です。
人は、失敗したら学びます。次にやる時は「それはやめておこう」とか「避けて通ろう」とします。これが「学習」です。一回目は何も分かりません。どこをどう歩めばどうなるのか。未知の世界です。だから失敗する確率が高くなるのです。
二回目であれば、一回目と同じ失敗は避けれます。同じ分野で起業したとしても、前回の失敗が活かせます。無駄な出費を避けるとか、自分であれもこれもやらず、外注できる部分は他人に任せるとか、そういう「判断」ができます。
三回目になると、もはや「失敗のプロ」です。過去の失敗が蓄積されているので、ノウハウがあります。中には、それを他人に教えるということで、生計を立てている人すらいます。それはそれで、一つのやり方です。
一回目の起業で成功するには、よっぽどの実力と、奇跡的な縁と、抜群の運が必要です。それを全て持っているという自信がある人なら構いませんが、そうでないなら、一回目に「全フリ」しないことです。
もう少し長い目で見て、二回目、三回目にも挑戦できるような「余力」を残しておいた方が、人生トータルで考えると、成功の確率は高まります。
という話をしても「とにかく、一回目の起業で、億万長者に!」みたいな人が後を絶ちません。そりゃ、失敗するわなと思います。