「起業の本に"1万円の商品を30人に売ったら、それだけで月収30万円です"と書いてあったのですが、本当にそんなこと可能なのでしょうか?」と、なかなか鋭い観点の質問を、目ヂカラの強い色白美人にされました。まぁ、無理でしょうね、と答えました。
商売というのは大きく分けると、2つの考え方があります。
- 安い商品を大勢の人に買ってもらう
- 高い商品を少数の人に買ってもらう
どちらを選ぶかは、商品の特性、売っている人やお店の知名度・ブランド力・マーケティング力で変わってきますが、それよりもっと「手前の段階」で考えないといけないことがあります。
これだけ競争が激化していて、人々の価値観が多様化している現代で「月に30人に売るのは相当難しいよ」ということです。1万円もするものを、30人にコンスタントに売れる人は、この世に多くありません。もし「無料」だとしても、30人が「欲しい」と思う商品を作り出すのは至難の業です。そう考えると、そもそも「大勢の人に買ってもらう」という発想自体が、現代では「無理ゲー」なのです。
一方、1人くらいなら、買ってくれる人がいるかもしれません。それが30万円もする商品でも、その1人が「どうしても欲しい!」と思うものなら、喜んで払ってくれるでしょう。方向性としては、こちらの方が勝ちやすいです。
「ヒット商品番付」を見たら分かるように、もはや全ての人が欲しがる商品というものは存在しません。みんな既に持っています。満たされています。価値観もバラバラです。ごく一部の人が「喉から手が出るほど欲しい」と思うようなマニアックな商品であればあるほど売れるのが、令和という時代なのです。
"1万円の商品を30人に売ったら、それだけで月収30万円です"というのは、単なる計算上の話です。そんなことを言っている人も、月に30人も売れていません。
あなたがやるべきことは、大勢の人に売ることではなく、少数が求める商品を考えることです。その方がよっぽど簡単で楽です。起業して売れるようになった人は、みんなこのやり方です。否、正確に言うと、このやり方しか、生き残る方法はありません。これが「起業のリアル」です。