競争の激しいアパレル通販サイトを、個人でコツコツ頑張っている方から相談された時の実例です。
アパレル系の通販サイトは、値引きをして販売するということが常態化しており、服を売っているというより「値段を売っている」ような状況です。ユニクロ等の大手でも週2回は値引きするので、その時に一気に売れたりします。
この方も同じように仕入れた服を値引きしないと売れないと思い込み、そうしていました。が、どれだけ売れても利益が出ないので、このままでは立ちいかなくなると思い、私の元に相談に来ました。
事前にそのサイトを見て、気になったブランドや服について、あれこれ質問してみたのですが、実は世の中にほとんど流通していないブランドや、作るのにすごく手間暇がかかっている商品がたくさんあるということが分かりました。
が、そのことは、サイトには一切書かれていません。私が聞いたから教えてもらえただけで、聞かない限りは知らない情報でした。これは非常にもったいないなと思いました。
せっかく良いものを取り扱っているのに、その価値が全く伝わっていません。厳しい言い方をすると、伝える努力をしていません。これが「値引き地獄」に陥ってしまった原因です。
そこからは値引きを一切やめて、取り扱っているブランドや商品について「これでもか」というくらい、丹念にサイトに書いてもらうことにしました。初めてそのサイトを訪れた人でも理解できるように、専門用語は使わず、話しかけるようなやさしい言葉使いを心がけてもらいました。
その結果、最低で月に2万円だった売上が、一気に「60万円」まで上がったのです。売っているブランドや商品は何一つ変わっていません。取扱量も同じです。それでも「伝え方」を変えると、これだけ売れました。
競争が激しいから、売れないからといって、安易に値引きに走る人は多いですが、それでは商売は長く続きません。適切な値段で売る為には、あなたの商品の価値を、適切に伝える必要があります。その為に出来ることは無数にあります。あなたはまだ試していないだけです。