コンサルタントという仕事は、時には「厳しい」ことも言わないといけないことがあります。冷静に客観的に見て、これは売れないだろうなと判断したら、それを率直に伝えないと、お客様を露頭に迷わせてしまうからです。
その際に「いい人」というキャラは邪魔です。淡々と事実を伝えるだけで「えっ、この人、冷たい」とか「そんなこと言うような人とは思わなかった」と思われるからです。「いい人」は「良いこと」しか言えません。そういうイメージを持たれます。それなら最初から「そのくらいは言うだろうな」と思われていた方が、話せる「幅」が広がるのです。
ネット上では、いかに自分を「良く見せるか」を考える人がほとんどですが、本当に人柄が良い人なんて滅多にいません。良いように見せていて、実際にあったら「そうでもなかった」場合、そのギャップで「幻滅」されます。
私はそんなこと考えたこともありません。昔に比べてかなり「丸く」はなりましたが、基本的なスタンスは変わっていません。誰に、何の気を使うこともなく、言いたいことを正直に言っています。
それが「怖い」と思う人は、それ以上は近付いてこないので、気にする必要ありません。それでも近付いてきた人は「よっぽど好き」だと思ってくれている人なので、そういう人だけを相手にしています。
そうすると、私に興味があって、お金を払ってでも会いたい人しか会いに来ないので、人間関係のストレスが無くなります。そもそも「いい人」とは思われていないので、気を使う必要もないし、言いたいことを言えば言うほど、相手は喜びます。不思議に思うかも知れませんが、世の中には厳しい意見を言ってもらうことに価値を感じ、お金を払ってでも言ってほしい人が、山のようにいるのです。
ということが分かっているので、私はできるだけ「いい人」だとは思われないように気を付けています。それでもやはり「素」が出てしまうのでしょうか。「思ったよりも優しいですね」とか「あまりにもいい人でビックリしました」と言われることが多いです。まだまだ「修行」が足りないなと日々反省しています。