「笹野さんはどんな風に販売価格を決めているのですか？随分と安いなと思ったのですが・・・」と起業を検討中、または起業1年以内の女性を対象にした＜起業準備プラン＞を受けてくれた方から質問されました。正直に答えます。
私がこのプランを「5万円」に設定している理由は単純です。「お客様が無理なく支払えるギリギリの値段がこのあたり」だからです。
普通に生活していて、5万円以上の買い物をする機会は滅多にありません。せいぜいスマホを買い替える時くらいで、他には家電、車、住宅に関連することです。全て「形のあるもの」への出費であり、コンサルティングのように「形のないもの」にお金を出すという経験は、世の中の「99%」の人がしたことがありません。
知名度のある人間なら安心するかもしれませんが、私はまだまだ無名です。そんな人間に対して、いきなり「大金を支払っても良いかな」と思う人は少ないです。
それを踏まえたうえで、いくらなら妥当かなと考えました。3万円なら安すぎてしょぼく見えます。10万円は高すぎます。そうなると5万円というのが「ちょうどいいライン」になってきます。値打ちを主張するのは構いませんが、現実問題としてお客様が払えない価格設定をしてしまうと、商売として成り立ちません。
それともう一つ意識しているのが、お客様に「得したな」と思ってもらえるような値段設定にしているということです。人は「得をした」と思ったら、また買おうと思います。他人にも口コミします。これが「リピーターと口コミ」を発生させるのに役立っています。
- 価格＞満足度→不満
- 価格＝満足度→普通
- 価格＜満足度→お得
このような顧客心理を理解して、販売価格に応用しています。
うちのお客様の特徴は、一人で何度も個別コンサルを受けに来る人がとても多いということです。「5万円なら数回受けても大丈夫かな」と思われるので、リピーターにつながりやすいです。
他にも起業して1年以上経過し、集客と売上に悩んでいる女性を対象にした15万円の＜集客・売上アッププラン＞と、既に売上があり、さらなる事業拡大を目指す女性を対象にした60万円の＜ブランド構築・事業拡大プラン＞を用意していますが、この3つのプランを一人で全て受ける人もいます。というか、そうなるにように「設計」しています。
- 起業する前の段階で相談に来る
- 実際に起業してみて壁にぶつかり、そこでもらったアドバイスを実行したら売上がアップする
- もっと稼げるようになりたいという欲が出てきて、またアドバイスをもらいに来る
このように、3つのプランを用意しているように見せて、実を言うと、一人の人間の「成長過程」をとことんサポートできるように作っているのです。ここでお金の計算をしてみましょう。
- 起業準備プラン→5万円
- 集客・売上アッププラン→15万円
- ブランド構築・事業拡大プラン→60万円
全てを受けると「80万円」です。つまり、最初の5万円で終わるのではなく、そこからどんどん「派生」していくように値段設定しています。少し整理します。
- お客様が無理なく支払える値段を設定する
- 「得したな」と思ってもらえる工夫をする
- お客様の成長段階に合わせたプランを用意して、とことん付き合う
- トータルでは結構な金額を支払ってもらえる
販売価格のつけ方で悩んでいる人は、一回目でいきなり大金を稼ごうとしている人が多いです。それではハードルが高すぎるのと、そんな商品やサービスを個人がいきなり作るのは難しいので、なかなかうまくいきません。
長期的視点を持ち、お客様と共に歩んでいこうという姿勢があれば、こんな発想が出てきます。0歳の頃から通っていた小児科の先生に、18歳まで面倒を見てもらうというイメージです。このやり方で、私は起業して16年もやってこれました。良かったら参考にしてください。
