人は感情で買うかどうかを決め、後から理屈で正当化します。ブランド品で考えると、分かりやすいと思います。
ふらっと入った銀座のショップで、気になるバッグを見つけたと仮定してみましょう。持ってみて鏡で確認すると、とてもかわいいです。値段は「40万円」します。どうしようかな?と考えますが、在庫が残り一点しか無いと言われ、余計に欲しくなります。他にもバッグはありますが「やっぱりこれが欲しい。えぇ〜い買っちゃえ!」と、勢いでカードを切ります。
帰ってきて、バッグをしげしげと見つめながら、思いっきり正当化します。
- このバッグは私に相応しい
- このバッグに負けないくらいの、いい女になればそれで良い
- こんな高価なバッグを買える私は、とても素晴らしい
- この服にもあの服にも合う
- 他のバッグとは「格」が違う
- カードの支払いは大変だけど、他のところで節約すれば大丈夫
こんな風に、自分にとって「都合の良い理由」が、次から次へと出てきます。
ブランド側は、そういう顧客心理をよく理解しています。だからこそ、高額な値段設定をしているのです。店員さんもプロです。本人の安月給では買えませんが、どんな人が買うか、どういう言葉を発したら買うか、そこはよく分かっています。「どうしようかな〜?」が出たら、9割は買うということを、経験上知っているのです。
世の中にある異常に高額な商品は、全てこの法則を応用しています。宗教のお布施や、怪しい情報商材、効果のよく分からない健康食品や、美容関連の商品。これらは全て、人の感性に訴えかけ、正当化する理屈を用意しています。
こういう仕組みが分かれば、高額な商品が売れるようになります。悪用してはいけませんが、ビジネスとして活用する分には、有効な方法と言えます。