「去年からオンラインセミナーを複数回やっているのですが、参加者のアンケートを見ると満足度が低いので、何か対策はありませんか?」と、一般社団法人の代表理事をやっているという方から相談されました。
北海道から沖縄まで、全国津々浦々でセミナーをやってきた私のやり方は、以下の通りです。
① 参加者に「今日一番聞きたいこと」を順番に聞く
② それをホワイトボードに書き出す
③ 順番に全ての質問に回答する
この方法であれば、間違いなく満足度は上がります。参加者が聞きたいこと「だけ」を話しているからです。これでクレームが出る訳がありません。
話の内容は、参加者の表情を見ながら、適宜、変えていきます。話し手からは参加者の顔がよく見えるので、どこまで理解できているか、話にどのくらいハマっているか、本当によく分かります。そこを踏まえて、臨機応変に言い方やスピードを変えています。
他人のセミナーや講演に参加すると「退屈だな」と思うことが多いです。なぜかと言うと、話し手が話したいことと聞き手が聞きたいことがズレているからです。
参加者は「その人の実体験」を聞きたいのに、やたらと松下幸之助やイチローのエピソードを話されると、残念な気持ちになります。
そのことに10年以上前に気付き、私は「自分が話したいこと」を話すのをやめました。冒頭に空気を和ませる為に「雑談っぽいけど、ものすごく大切なこと」を話すことはありますが、基本的には「コール&レスポンス方式」でやっています。
セミナーというのは、話し手と参加者の「共同作業」です。片方だけ頑張っても意味がありません。そういう思いがあれば、話したいことだけ話そうという気はなくなるはずです。
人前で話す人間には「サービス業」だという意識が必要です。せっかく時間とお金を使って集まってもらったのです。とことん楽しんでもらいましょう。それが「次」に繋がるのです。