なぜなら、それが人間の「本能」だからです。太古から現代まで生き延びたのは、怖がりで臆病で繊細な人だけであり、その子孫だけです。
恐竜がいた時代に生き延びたのは、恐竜に襲われないように細心の注意を払っていた人です。下手に立ち向かっていった人は全員、食べられてしまうか、踏み潰されて終わりです。そんな「無謀」なことはやってはいけないのです。
現在、生きている人類は、その子孫なので、そういう「遺伝子」が残っているはずです。ということは、怖がりで臆病で繊細というのは、実に人間らしいことであり、当たり前だということです。何も恥ずべきことではありません。
もう一つ言えるのは、そういう人の方が「他人の気持ちが分かる」ということです。がさつで怖いもの知らずで大胆な人は、他人の気持ちは考えず、どんどん先に進みます。自分が出来るんだから、お前も出来るだろうと平然と言います。それで嫌われるのです。
数でいうと怖がりで臆病で繊細な人の方が圧倒的に多いので、その層の気持ちが分かった方が理解されやすいし応援もされやすいです。「仲間」がたくさんいるので、困った時にも助けてもらえます。そういう意味でも、生き延びる確率は高いのです。
私が起業して15年もやってこれたのは、人一倍、怖がりで臆病で繊細だからです。大胆な勝負はせず、慎重に、慎重に、淡々とコツコツやってきました。結果的に生き残ることが出来ました。
同じタイミングで起業して消えていったのは、がさつで怖いもの知らずで大胆な人が多かったです。後先考えず、とにかく勢いだけで突き進む、根性論が大好きな人たちです。そういう人は、誰一人残っていません。
起業する前も怖いし、起業してからは毎日怖いです。その気持ちが、私にはよく分かります。その不安を解消するには、知恵を絞り、次から次へとアイデアを試すしかありません。
根性論だけでは生き残れません。生き抜くには「具体論」と「具体的な行動」が必要です。それをお客様と一緒になって考えるのが、私の仕事です。