どんなことでもそうですが、始める時よりやめる時の方が大変です。付き合うより分かれる方が大変だし、結婚より離婚の方が厄介だし、開店より閉店の方が面倒です。
人は、何かを始める時は「勢い」や「ノリ」や「思いつき」でスタートします。ちょっとやってみようかなという些細な気持ちが、全ての始まりとも言えます。
この人と付き合ってみようかなから始まり、まぁ良いかと思って結婚するまでは勢いやノリで行けます。が、その関係性を終わらせる時には、とても面倒で厄介なことが待ち受けています。
周りにどう説明しようとか、子供がいたら親権の問題だとか、財産分与とか、女性の場合は名字をまた戻す手続きとか、引っ越しとか、あれとかこれとか、問題が山積みです。
何が腹立つって、それをもう別れようと思っている相手と共に進めないといけないということです。「そんなことする為に生まれてきたんじゃない!」と、誰に向けて怒っているのかよく分からない愚痴を吐いている人を見たことが、今までに何度かあります。
お店も同じです。開店するまでは楽しいです。内装をどうしようとか、どんなメニューにしようとか、それまでは希望に満ちていますが、いざ始めてみると、思っていたより暇だったり、売上が伸びなかったりという場合がほとんでです。
お金の問題が日に日に悩ましくなり、いつまで手元の資金が保つのか、計算ばっかりするようになります。それでも一向に客足も売上も伸びません。遂には閉店の決意をします。借金が残っている場合は、その問題が一生付きまとったりします。
軽い気持ちで始めるのは良いのですが、事前にやめる時のことも考えておかないと、地獄を見ることもあるよ、という話です。それをせずに、いざ始めてみてからどうにもならないという人が多いのです。
私は27歳で起業しましたが「30歳までに売れなければやめる」と、当時から決めていました。意外と早く売れてしまったので、未だにズルズル続けていますが、それがなければ、もうとっくにやめています。
始め方も大事ですが、やめ方も大事です。恋愛でもお店でも起業でも、そのことを頭の片隅に入れておきましょう。それが地獄を見ないコツです。