プロフィールに書いてあるように、落語ばっかり聴いているのですが、人気のある落語家を観察・分析してみると、2つの要素があることに気付きました。
- 抜群の実力
- 人としての可愛げ
落語家は東西合わせて約1,000人いると言われます。その中で、チケットが「即完売」したり、会場が埋まるのはごく一部です。私が独自に計算してみたところ「15〜20人」くらいかなと思います。私がよく聴きに行っている落語家の名前を挙げてみます。
- 春風亭一之輔
- 柳家喬太郎
- 春風亭昇太
- 笑福亭鶴瓶
- 立川志の輔
- 立川談春
- 立川志らく
- 瀧川鯉昇
- 三遊亭兼好
- 立川こしら
最後の三人はそこまで集客力はありませんが「抜群の実力」と「人としての可愛げ」を兼ね備え、その他の人に関しては、チケットを取るのが難しいほどです。
これを「あなたに当てはめて」考えてみましょう。「抜群の実力」と「人としての可愛げ」の両方があれば理想的ですが、なかなかそうはいかないと思うので、まずは「どちらかだけ」を獲得しましょう。
コツコツ実力を蓄えるのも良し、可愛げをアピールするのも良し。実力で勝負するのか、キャラで売っていくのか。その「選択」を先にすると、方向性が明確になり、日々の行動に落とし込みやすいです。
私は、まずは実力をつけることを選びました。目の前のお客様をいかに幸せにするか、売上を増やしてあげれるかについて、懸命に知恵を絞り、勉強を重ねました。その次に、人として「いかに抜けているか」を明示することにしました。はっきり言って、これは効果ありました。
実力があればあるほど、周囲からは「近寄りがたいな」と思われるようになり、少し引かれてしまいますが、人としての可愛げがあれば、親近感を覚える人も出てきます。
春風亭昇太さんが独演会で言っていました。「人は、自分よりちょっとバカな人が好き」だと。さすが、落語芸術協会の会長で、笑点の司会をやっているだけあり、言うことに説得力があります。
敬愛する立川談志の言葉に、こんなものがあります。「落語には、世の中の全ての要素が詰まっている。落語を聴いていれば、どんな問題にも対応できる」。これが本当のことだったんだなと、42歳になって痛感しているところです。