「売上が下がってきて困っています」とピラティス教室を運営しているインストラクターの方に相談されました。
この人のレッスンは「毎回満席」で、リピーターが9割以上。良い感じに運営できていましたが「欲」が出てしまいました。インストラクターの養成をしたいと、今度は養成講座を売ろうと思いました。で、まったく人が集まりませんでした。
お客様が求めているのは、この人のレッスンでピラティスをやって、きれいな体になることです。これが「需要」です。それなのに、売り手が勝手に、講師を養成するという「供給」を作り出してしまったので、ズレが生じました。
この講座を売る為に、生徒さんにチラシを配布するまでは良かったのですが、なかなか売れない焦りからか、半ば強引に勧誘してしまい、その生徒さんは辞めてしまったとのこと。その噂が広まってしまい、レッスン自体も人が減り、養成講座も売れない。そんな状況でした。
需要のあるレッスンだけを、初心に戻ってきちんとやり直すことを提案しました。元々、人気と実力のある人なので、またすぐにレッスンは埋まるようになりました。
しばらくやってるうちに、生徒さんの中で、講師をやりたいという人が現れました。あれだけ売ろうとしても、全く売れなかったのに、やれることをコツコツやっていると、何の苦労もなく売れたのです。結果的に、売上げが「1,6倍」増えました。
私はいつも言っていますが、商売は必ず「需要が先」です。お客様が買いたいと思わないと、いくら頑張っても売れません。今、売れてるものがあるのであれば、無理に欲張らなくても大丈夫です。
色んなことをやってみたくなるのは分かりますが、お客様に言われてから、初めて考えてみるというカタチでも決して遅くありません。無理なことを無理にやると、人もお金も離れていきます。世の中、そんなもんです。