「自己啓発本をたくさん読んでいるんですけど、なかなか人生が好転しないんです」という人から、相談を受けました。どんな本を読んでいるんですか?と聞くと、似たような本ばかりでした。これが、うまくいかない理由です。
自己啓発本を大まかに分けると、2パターンしかありません。
① あるひとつのモデルを提示して「この通りにやるとうまくいくよ」という本
② 「あなたはそのままで充分ですよ」と根拠もなくひたすら訴えかける本
この人は、②のような本ばかり読んでいました。サプリメント的な意味で、一時的に気分が良くなったり、気持ちが前向きになる効果はあるかもしれませんが、持続性はありません。だから同じような本を何冊も読んでしまうのです。
そういう人が多いことを、出版社は完全に「把握」しています。女性向けの自己啓発本が似ているのは、このせいです。
根拠もなく、具体性に乏しく、持続性のないものをどれだけ読んでも、身にはなりません。サプリメントや栄養ドリンクをどれだけ摂取しても、それだけでは健康にはならないのと同じです。「過剰摂取」すると、逆に体を壊してしまったり、依存症に陥ることもあります。それを自己啓発本を通じて、やっているということです。
自己啓発本を読むのは悪いことではありませんが、これからは読む前に「この本は①か②のどちらのパターンだろう?」と意識しましょう。そうすると、自分は同じような本ばかり読んでいるなとか、これは今までとは違うパターンだなと気づけます。これ、結構重要なことですよ。