飲食店に多いのですが、これをやることにより、お客様との心の距離はグッと広がります。店名よりもシェフやオーナーの名前で覚えられるので、結局、店名って何なんだろう?ということになり、検索もしてもらえません。これでは「本末転倒」です。
- リ・ カーリカ
- カンティーナ カーリカ・リ
- リ・リーカランド
- ロッシォシチリア
- ル・ブルギニオン
- ピッツェリア イル・タンブレッロ
- ヴォーロ・コズィ
- レフェルヴェソンス
- ノン・カピスコノ・ニエンテ
全て実在するお店です。しかも本に出てくるような有名店ばかりです。これら全てをパッと見でスラスラと読めて覚えることの出来る人はごく少数でしょう。そのくらい、日本人にとってはカタカタというのは読みにくく、認識しにくい文字なのです。
パソコンで入力してもスムーズには出てきません。これだけの文字を打つのに、なかなか苦労しました。ということは、スマホやパソコンで検索する際に、お客様は同じ目に遭っているということです。
- そもそも覚えられない
- 入力もスムーズに出来ない
この時点で、マイナス要素が二つもあります。それでもやっていけるお店なら構いませんが、新規参入するお店がこのやり方を真似るのは、正直どうかと思います。
上に挙げたお店の中には、住宅街の中にあり、70歳を超えた高齢者がよく来るお店も多いです。おじいちゃん、おばあちゃんは、確実に店名を覚えていないでしょう。それよりも「安田さんのお店」とか「田中シェフのレストラン」という風に認識していると思います。
それならいっそのこと、それを店名にした方が覚えられやすく、検索もされやすいです。「洋食安田」とか「イタリアン田中」の方が覚えやすいので、競争が激しく、物覚えの悪い人の多い高齢化社会には有利です。
もし私が地元でお店をやるなら、こんな風にします。
- 白金台のパン屋〇〇
- 目黒の日本酒専門店〇〇
「地名+業種+店名」の順にすると、何となく探している層を取り込むことが出来ます。店名でいきなり検索するのは、そのお店を既に知っている人だけです。それよりも何となく探している人の方が圧倒的に多いので、ネット上で戦うなら、こうした方が有利です。
というようなことを考えながらやるのと、自己満足で格好良く覚えにくいカタカタの名前を付けるのとでは、全然違ってきます。飲食業はサービス業です。お客様の「不便」を考慮するというのも、サービスの一つだと思います。