マーケティングには大企業向けのものと、個人向けのものがあります。ベストセラーになったり、本屋さんで平積みされているのは、ほとんどが大企業向けです。それをフリーランスや個人事業主が読んでも、参考にはなりません。
大企業には既に顧客がたくさんいます。人材も豊富で、資金もあります。だからこそ大企業になれたのですが、これらを駆使すれば、色んな戦略が取れます。広告も広報もイベントも打てます。無料キャンペーンをやったり、テレビ番組とタイアップしたり、渋谷駅に看板を設置することも可能です。
それらの中で「奇跡的に」うまくいった事例だけが載っているのが、ベストセラーになるようなマーケティング本です。どれだけお金をかけても、優秀な人材を投入しても、うまくいかない時の方が多いのです。それでも企業として存続できるのが、大企業の強みです。
フリーランスや個人事業主には、既存の顧客がそこまで多くありません。いたとしてもごく少数か、始めたばかりの人なら「ゼロ」です。人材は自分ひとりです。資金もありません。つまり、打てる手が圧倒的に少ないということです。
そんな人が大企業のマーケティングの事例を参考にしても、うまくいきません。そもそもの「前提条件」が違いすぎるからです。ごく稀に、スモールビジネスの成功例を書いている本がありますが、あれも参考になりません。あまりにも規模が小さすぎて、特殊すぎるからです。
農家さんがネットを使って野菜を売っているという事例を読んでも、参考になりません。そもそも「食べてみたい!」と思えるような野菜を、あなたは作っていないからです。順番としては、そう思われるくらいの商品を作ることが先です。やり方ばかり真似しても、同じような結果にはなりません。
あなたには、あなたに適したマーケティング手法があります。それがあなたが勝てる、唯一の方法です。それが何なのかを考えたり、実際に試してみるのが、仕事の楽しさであり、やりがいです。